今日、頭を通り過ぎていったこと…

もうしょうがないので、ジャンルを限定せずに…

ナルキッソスとエコー

今日は久しぶりにのんびりとした時間があったので、もう随分前に(へたをすると10年とか20年とか以前に)読んでいたKohutの"The Analysis of the Self"を読み直してみました。

 

自己愛性パーソナリティ障害(とはいえ、これは現在の米国精神医学会の公式診断分類であるDSMが描写する「俺様型」自己愛者ではなく、古い精神分析的な意味による自己愛者ということです)についてのモノグラフです。

 

久しぶりに読み直してみると、昔気づかなかった、良いこと書いています。 自己愛者にとって、「対象 object」がいかに本当の意味での対象とはなりえておらず、自己の延長である自己対象 self-objectにしか過ぎないかということ。  これがいかに自体愛的な精神的な引きこもりにつながってくるかということ。いかに治療プロセスの中で治療者との関わりが(その機能が)取り入れ同一化されていくかということ。 (もっとも、Kohutは基本的に取り入れ同一化 introspective identificationという言葉を使いませんが…。)

 

治療の中で治療者はもはや一人の人間ではなく、自己対象になること。  特に鏡転移 mirror transferenceの中で、治療者は患者にとって一人の人間としてはみることができず、ただただ患者の姿を映し出す鏡(湖面)であり、こだま(エコー)でしかないこと。

 

そうやってみると、この「ナルキッソスとエコー」の絵は、なかなかに面白いです。

f:id:Lemontarou:20170625165515j:image