今日、頭を通り過ぎていったこと…

もうしょうがないので、ジャンルを限定せずに…

考え方を変えても気持ちは変わらないが、行動を変えれば気持ちも変わる

JAMA Psychiatry. 2017;74(6):571-578. doi:10.1001/jamapsychiatry.2017.0429

 

Brief Behavioral Therapy for Pediatric Anxiety and Depression in Primary Care
A Randomized Clinical Trial

 

  上記の研究論文は、子ども(小学生〜高校生くらいまで)の「うつ」や「不安」に対して、ごくごく簡単(普通の小児科で実施可能)で短期間の行動療法(合計8セッション、最大3ヶ月)によって、まずまずの効果を得られることを示しています。

 

  注目すべきは、この短期間の行動療法には、普通の認知行動療法CBTにおける「認知療法コンポーネント」が思い切って省かれていることです。

 

  これまでの認知行動療法は、認知療法コンポーネント、つまり過剰にネガティブな考え方を意識的に修正することと、行動療法コンポーネント、つまり不安や気が乗らなくて避けていた、しかし本当は心の健康のために大切なことを、しっかりと避けずにやっていくこと、の両面から成り立っていました。

  ところが、認知行動療法の有効性をあれこれ検証していくと、どうやら「認知」は「行動」ほどには重要ではない、むしろ「認知」コンポーネントを潔く省いてしまった「ただの行動療法」でも同程度に効果が上がることが、なんどもなんども示されてはいたのです。

 

  だったら、「認知療法コンポーネント」なんていらないじゃないか! となりますが、まったくその通りだと私も思うのです。

 

  だのに、なぜか、日本では認知行動療法というと、妙に「認知」コンポーネントの方ばかり強調されていて、下手をすると「考え方を変えれば、気持ちも変わる」なんて間違った理解をしている人さえたくさんいる印象です。 そんなわけないのです。 人の気持ちは、考え方次第に変わるほど簡単なものじゃないのです。 ただ、(大変なことではあっても)行動を変えれば、自然と気持ちも変わってくることは知られていますし、これはどうやら事実なのです。 これが、認知行動療法においては「行動」の方に力点を置くことの方が正しい、と言われるゆえんです。

 

  そんなことを、子どもの「うつ」や「不安」の治療を対象に確認してみたのが、今回のこの研究でした。